:.。.:*:・' :.。.:*:・'゜メールマガジン「恋歌」:.。.:*:・' :.。.:*:・'゜
* * * 第44回 * * *
2003.4.17
こんにちは。
メールマガジン「恋歌」第44回目の発行です。
「恋歌」は、恋に生き、歌に情熱を託した日本人の
溢れんばかりの情緒をいま、現代に蘇らせたい気持ちから、
数人の仲間で始めた企画です。
今後とも、どうぞよろしくお願い申し上げます。
さて、第44回発行号は、
「春の風」をテーマにお届けいたします。
咲いたと思った桜が散ってしまった後、
まだ冷たくはあるけれど心地よい春の風が吹いています。
その風に感じるのは新しい生命の息吹き。
恋歌の歌人たちは
この風に何を感じているのでしょう。
どうぞご賞味ください。
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松ノ木大宮八幡娘 [ 花冷え ]
相模野小町 [ 花影(はなかげ) ]
武蔵野式部 [ 緑の風 ]
出雲頼通 [ 春の風 ]
天の羽衣 [ 青い風 ]
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[ 花冷え ]
音沙汰ないこと面憎し
花冷え寒い風の晩
つれない貴方に
恋歌贈る
- 松ノ木大宮八幡娘 -
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[ 花影(はなかげ) ]
静かな闇に
ほの白く浮かび上がる影
胸の鼓動が
早くなる
あなたが
抱きしめにきたのだと想った
甘い疼きに身を浚われ
息もできなくなる夜の淵
ぬくもりが
肌をかすめるのに
ひとすじの香が
かすめていくのに
わたしの腕は
あなたをとらえることが出来ない
そのとき
ふと風が流れる
わたしの身体に纏わるように
幾すじもの風が
肌を巻く
あなたの腕のように
闇夜に流れる
春の風
狂おしく
待ち焦がれる悦びのとき
胸疼く
春の恋
- 相模野小町 -
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[ 緑の風 ]
芽吹きの伸びやかな
清清しい日々
何億年も繰り返されてきた
自然の営みを想う
春
ひかり輝く時
体を軽くしてくれる春風が吹く
風にのって歩くとき
楽しげにゆれる花々はいとおしい
やさしい予感に満たされ
うれしくて
風と一緒にほほえんだ
あなたに会いたい
はじまりに胸ときめく
緑の風が吹く日
- 武蔵野式部 -
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[ 春の風 ]
ふーっと窓の外から吹き込んできた
さわやかな風を浴びて
心にぱっと花が咲いたみたいに
体に光が満ちてくるみたいに
もうコートなんて要らないね
ちょっと冷たくても
この空気を浴びていたくて
その感覚に躍動する生命
世の中を見渡すと
不安なことが一杯あるけど
でも この風を感じたら
新しい何かが生まれてくる
いや 確かに生まれている
自分の内面の奥深いところで
そして一斉に芽吹くのを待っている
色とりどりの 春の花たちと共に
- 出雲頼通 -
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[ 青い風 ]
青く白く光る風
身体の前にある
まるで向かう道を
指し示すように
いつか貴方がつけた
胸にひとすじ
青く 白く 光る
契り
消えない
春の日
どんな雨の日も
青く白く光る風
その風の道を辿り
きっと貴方のもとへ
- 天の羽衣 -
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「恋歌」第44回号、如何でしたでしょうか。
「恋歌」は、隔週木曜日、毎回のテーマに添ってお届けします。
次回をどうぞお楽しみに。。。。
*' *' *' 単行本「恋歌」情報 *' *' *'
「恋歌」が本になりました。
書店にてご注文下さい。
●タイトル:恋歌(れんか)
●著者:恋歌編集部
●発行:新風舎
●本体価格:1,800円
●ISBN:4-7974-2794-9
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わたし達の恋歌が、あなたの恋の魂に触れたら、、、
あなたの返歌、お待ちしています。
もちろん、ご意見ご感想なども、たくさんお聞かせくださいね。
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2003.4.17 「恋歌」第44回発行号
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