:.。.:*:・' :.。.:*:・'゜メールマガジン「恋歌」:.。.:*:・' :.。.:*:・'゜

           * * * 第40回 * * *
  

こんにちは。
メールマガジン「恋歌」第40回目の発行です。


恋に生き、歌に情熱を託した日本人の
溢れんばかりの情緒をいま、現代に蘇らせたい、、、
そんな気持ちから、

昨年の2月1日に、メールマガジン「恋歌」を創刊し、

このたび1周年記念企画として
歌人ひとりひとりの特集を毎週連続でお送りしてきましたが、
いよいよ今週で最後となりました。

1周年記念特集・最後の歌人は、
相模野小町です。

清水のように沁み込む、、、
一瞬の命を永遠の輝きに変える
端麗な言の葉を、


どうぞ、ご賞味ください、、、、

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  相模野小町特集  

     [ 命 ]

     [ 花 ]

     [ 永遠 ]

     [ 幸多かれと ]


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[命]


窓の外の木立ちが煙り
白くけむり
雨が降る

深い緑が霞みゆく
霧の雨が
降りしきる

急に訪れた
色彩のない冬の日に

身に
沁み入ってくるような
やさしく白い
雨が降る


幾年を生きた
ひとつの命の旅立ちを
ひとつの肉体の終焉を

どこか
夢のように感じながら
確実に時はこぼれ落ち
私はひとり残り生き
ふと感じれば
風の中にあなたは在って

それでもやはりこんな日は

雨に立ち尽くすこんな日は
いてくれたらと想うのです
身体が有ってくれたらと

いまだけは
ふいによみがえる悲しみを
この身に赦していてほしい

このひとときが
通り過ぎるまで


霧の雨が降る
白くけむる
あなたの命日に

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[花]


風が澄んで
花の
気配がする

冷たい空気の中を
ゆっくりと
芽吹くときを待つ
気配がする

あなたの足音が
聞こえたような気がして
窓を見る

いまだ見ぬ春

春の音を
待つ心

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[永遠]


あなたの名前を
出会う前から知っていた

あなただったのですね
ずっと私を待っていてくれたのは

出会いの起こったその瞬間に
遠い未来までも感じとり
確かめるように
ひとこと ひとこと
言葉を交わす

まるで光の帯のように
ゆっくりと流れ出す
雄大な時間

生きる空間が変わる
命が変わる

あなたとの境が無くなって
永遠を
わかり始めた日

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[幸多かれと]


恋をして
愛しくて

ただ
君のために生きた日々

一点の染みもなく
そう生きることが幸せだった

季節は巡るね
幼かった君は大人になり

君の大人びた笑顔を見るたび
遥か昔
君に良く似た笑顔の人を
愛した日々を憶い出す

あと何年
このまま君の恋人のように
いられるだろう

季節は巡る
心模様を置去りにして
ほんの少しのせつなさと
溢れるような愛しさと
すべてを礎に変えながら
未来にむかう
生きとし生けるもの

こぼれる陽射しに
やわらかく輝く君の横顔

いまはただ
命の芯から願うよ

どうか
どうか君に 幸多かれと

-相模野小町-

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「恋歌」第40回号、如何でしたでしょうか。

5週連続で1周年記念特集をお送りしてまいりましたが、
次号より「恋歌」は、平常通り隔週木曜日、毎回のテーマに添って
お届けします。
次回をどうぞお楽しみに。。。。


わたし達の恋歌が、あなたの恋の魂に触れたら、、、
あなたの返歌、お待ちしています。
もちろん、ご意見ご感想なども、たくさんお聞かせくださいね。

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2003.2.27 「恋歌」第40回発行号

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