:.。.:*:・' :.。.:*:・'゜メールマガジン「恋歌」:.。.:*:・' :.。.:*:・
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          * * *  第36回  * * *


こんにちは。
メールマガジン「恋歌」第36回目の発行です。


恋に生き、歌に情熱を託した日本人の
溢れんばかりの情緒をいま、現代に蘇らせたい、、、
そんな気持ちから、

昨年の2月1日に、メールマガジン「恋歌」を
創刊いたしました。
春夏秋冬をみなさまと共に歩みながら、
まもなく1周年を迎えようとしています。

今回号からは、
皆様への心からの感謝と共に
また新たなる一年へ向けての万感を込め、

歌人ひとりひとりの特集を
5週連続にてお送りすることに致しました。


1周年記念特集・最初の歌人は、
天の羽衣です。

鼓動と重なっていくような
選りすぐられた命のひとこと、

何年たっても何十年たっても
色あせない言葉たち、、、、


どうぞ、ご賞味ください、、、、


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天の羽衣特集 [ 一片の夢 ]〜19歳作      
 
       [ 千尋 ]〜19歳作

        [ 北の春 ]

        [ 写真展 ]

        [ 空へ ]


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[ 一片の夢 ]


どうして 出会ってしまったのか
      今でもわかりません
誰がわたしを呼んだのか  
      今でもわかりません
そこを突き抜けてここに来たのか
流れに乗って来たのか
それともあれは楽しすぎる悲しい夢だったのか
今ではもう思い出すこともできません
ただ わたしの心は北に走っています
思い出が風化し始めているであろう
北へ向かって走っています

そうして あなたはどこで
わたしの海を見たのです
同じ顔して笑うから
      つらすぎたのか
      うれしすぎたのか
今ではもう思い出すこともできません

*' *' *' *' *' *' *' *' *' *' *' *' *' *' *' *' *' *'


[ 千尋 ]


ひとつ ひとつ 見えてきて
いつか あの扉がぱっと開いて
すべての流れの中に遊ぶ時が来る
どこまで行ってもおわりがない
大きな流れ
誰かが忘れたとしても
何一つ言葉にせず
流れていく
決して消える事もない
あの まぼろしにも似た七色の光の中で
過去の未来の人たちは過ごしてきたのに
ああ だからこそ
いつか あの扉を おもいっきり開いて
すべての夢の中に遊ぶ時が来る
そうして 私の体を すべてに変えるのです
草  花  木  大地  空  光、、、、、
山  海、、、、風  星  すべて、、、、

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[ 北の春 ]


梅が咲く
待ちかねたように
木々が芽吹く
雪融けの澄んだ水

やわらかな春の光に
ゆっくりゆっくり開いてゆく体
頑なに閉じた心を
一枚一枚とはいでいく

桜の咲くころには
すべての草木花が一斉に開き
春爛漫
新しい生命を感じ
恋心がさわぎだす


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[ 写真展 ]


何も言わずに帰るつもりだった
私があなたを見つける前に
あなたが私を見つけてしまった

初めて会うのに
はじめから境のない人
前からそうしていたように横に立つ
まっすぐな瞳
見つめ返したら
すべてをゆだねてしまいそう
「天にのぼっていく、、、」
耳元の声に息を呑む

あなたが私を見つけてしまったので
私は逃げることができない

あなたの瞳の代わりに
カムイ・トー(神の棲む沼)を
静かに見つめた
あなたの写真の中に
あなたを観ていたくて


*' *' *' *' *' *' *' *' *' *' *' *' *' *' *' *' *' *'


[ 空へ ]


まっすぐ見上げた空
どこまでも高く
どこまでも広く
どこまでもあおく

いつも貴方だけが共にいた
どんなに心が沈んでも
見上げればひとつに融けて
わたしをいだく

まっすぐ見上げた空
どこまでも澄んで

貴方の下で
ただひたすらに働く
恋するように、、、

*' *' *' *' *' *' *' *' *' *' *' *' *' *' *' *' *' *'


「恋歌」第36回号、如何でしたでしょうか。

1周年記念特集・次週の歌人は武蔵野式部です。
どうぞお楽しみに、、、、。


わたし達の恋歌が、あなたの恋の魂に触れたら、、、
あなたの返歌、お待ちしています。
もちろん、ご意見ご感想なども、たくさんお聞かせくださいね。


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2003.1.30 「恋歌」第36回発行号

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