:.。.:*:・' :.。.:*:・'゜メールマガジン「恋歌」:.。.:*:・' :.。.:*:・'゜

          * * * 第21回 * * *


こんにちは。
メールマガジン「恋歌」、21回目の発行です。
いつも読んでいただき、ありがとうございます。

「恋歌」は、恋に生き、歌に情熱を託した日本人の
溢れんばかりの情緒をいま、現代に蘇らせたい気持ちから、
数人の仲間で始めた企画です。

毎回、テーマに添ってのものをお届けしています。


さて、
第21号は、性の悦びを特集いたしました。


静かで美しい二人だけの空間に生み出される悦びを
皆様にお伝えいたします。


どうぞご賞味ください、、、。

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[生まれたての] 松ノ木八幡娘


[海辺にて] 天の羽衣


[愛しいひと] 相模野小町


[月明かり] 武蔵野式部


[愛が生まれた日] 武蔵野式部


[二人の宇宙] 出雲頼道

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[生まれたての]

きれいなひと
生まれたてみたい
そう 生まれ変わったあなた
賢く やさしい
きれいな姿
本質の美しさ

やわらかいくちびるとからだに
触れたくなって来ちゃったんだ
そう告げるあなた
天使のようなひと

あなたを誤解していたことに気づく
溢れるような愛を
身体から発する天使
今日の私にはわかる
あなたの愛がわかる
私は満ち足り
あなたと融けてゆく

あたらしいあなたと
あたらしいわたし

あたらしいふたり
あたらしい未来


松ノ木八幡娘

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[海辺にて]


あなたは
「俺と寝るか」と言って
私のすべてを包み込む
金色に輝く海で
身体中余すところなく感じさせ
どこまでも どこまでも
息を共にして
天にのぼりつめるまで


天の羽衣


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[愛しいひと]


身体の奥の
甘い疼きに堪えながら

全身で香を放ち
誘いかける瞬間

肌と肌が重なる

その無上の悦びに
かぎりなく女であるひととき

波のように寄せる
匂いやかな絶頂

繰り返し
繰り返し

あなたの腕の中で

身体ごと溶け合う

幸せ

相模野小町


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[月明かり]


満月の夜
貴方と河原を歩いていた

まだ寒い春、、風は冷たく、
街明かりと月が
水面にゆらゆらと揺れ
ふたりの心も揺いでゆく

この間の別れ際
唐突なキスをして
私は車を降りてしまった
貴方はすこし戸惑っていた

今夜の貴方にその戸惑いはなかった
私に向き合い
会心の笑顔を見せて
私を抱きしめた

ジーンズと皮ジャンの感触
シャツの下の暖かい胸
長いキスが終って
ふたりはどちらからともなく川縁に腰掛けた

自然と横になり
重なり合うふたり

ちょっと背中が痛くって
貴方の冷たい手を肌に感じながら
優しい愛撫を交わし合った
どの行為もすべてから
貴方の気持ちが伝わってくる

満月が微笑む
小さな星もゆれている

張り詰めた美しい空間のなかで
月と星に抱かれるように
あなたに抱かれた夜

今宵貴方と結ばれたら
幸せ過ぎてきっと死んでしまう

肌と肌から伝わってくるこの上ない喜びが
寒さを溶かし背中の痛みを溶かし
次第に全身を満たしてゆく
熱く熱くなってくる

無言で交わされる無数の愛
時はすべてとまってしまう

あなたの肩越しに広がる闇は冷たく
その闇に輝く月は美しい
私の喜びの声は貴方を通り抜け
天にまで届くだろうか

遠い過去に誘われ
太古の記憶を取り戻したかのような
月明りの夜

貴方に抱かれ
喜びに震えたあの夜を
貴方も覚えているだろうか

[愛が生まれた日]

紫陽花のような紫色の服を
身に纏いたいと感じた日


あなたに愛された日々を想う


言葉では伝わらぬ溢れる愛を
あなたは私を抱くことで
私に伝えてくれた

湧き上がってくるように
私の胸からも熱い気持ちが流れ出す

あなたと私の行為から生み出される愛の空間は
しっとりと濡れていて
まるで小ぬか雨みたいな繊細な音が立ち込めている

この静けさはずっとずっと彼方まで続いて、、、、

私の悦びをあなたも同じに感じている
そんな気がしてくるほど感覚が重なり合う
そう、、そして、、
そして一緒に果てるまで
もう決して離れないで、、、

何も無い空間に漂い
優しい夢から覚めてゆくように感じ
目覚めると横にあなたのぬくもりがある

そんな幸せな時の記憶が私の体の中に蘇ってきた

時が失われた悲しみに
長い間打ちひしがれて
私は一人で生きて行くことが辛い日々を送っていました

苦しく辛い毎日でした
でも、、あなたに愛された日々は
私の体の中にあり
いつでもその感覚をしっかりと思い出すことが
出来るのです

あなたの愛はそのまま私の体に生きている

今、、愛に包まれて
あなたの幸せを素直に祈れる私です
どんなに遠く離れていても
あなたが私を忘れてしまっていても


私の中から愛が生まれた日


武蔵野式部

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[二人の宇宙]

そう その時
二人だけの時間
二人だけの空間が
そこには生まれた

気が遠くなりそうになりながら
僕はあなたの部屋にいるのではなくなった
時間は夜でも昼でもなくなった
あなたを抱きながら
あなたに抱かれながら
僕は時空を越えていく

ここはどこだろう
大きく やさしく 暖かい広がりの中に
僕は包まれ 幸せと安らぎに満たされる
ここは海の中?
そうかもしれない
いや 違う
百五十億光年の宇宙空間のただ中
僕は肉体のない ただの存在となり
宇宙の果てへと向かって
この空間全体に広がっていく

あなたはどこにいるのだろう
そうか この
大きく やさしく 暖かい宇宙空間こそ
あなただったのだ
僕は広がり続け
宇宙であるあなたに溶け込んで
ひとつとなる

そう その時
二人だけの空間が
光で満たされ
全てが真っ白になる瞬間!
無から有を生み出す
とてつもないエネルギー
あなたと溶け合い
一つの存在となった至福感……

美しく輝くあなたと見つめ合いながら
僕はこの瞬間(とき)が永遠に続くことを願った
身体(からだ)は分かれてはいても
あなたと僕とは二人で一つの存在なのだ
そして二人一緒なら どんな困難も乗り越え
新しい生命 新しい世界を生み出していける
僕はそう感じていた
あなたと共にいる幸せに満たされながら……


出雲頼道


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「恋歌」第21回号、如何でしたでしょうか。


「恋歌」は、毎週木曜日、毎回のテーマに添ってお届けします。
次回をどうぞお楽しみに。。。。


わたし達の恋歌が、あなたの恋の魂に触れたら、、、
あなたの返歌、お待ちしています。
もちろん、ご意見ご感想なども、たくさんお聞かせくださいね。


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2002.6. 27 「恋歌」第21回発行号


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