:.。.:*:・' :.。.:*:・'゜メールマガジン「恋歌」:.。.:*:・' :.。.:*:・'゜

          * * *  第20回 * * *


こんにちは。
メールマガジン「恋歌」、20回目の発行です。
皆様に読んで頂きながら、
とうとう20回目の発行を迎えることが出来ました。

心より御礼申し上げます。

「恋歌」は、恋に生き、歌に情熱を託した日本人の
溢れんばかりの情緒をいま、現代に蘇らせたい気持ちから、
数人の仲間で始めた企画です。

今後とも、どうぞよろしくお願い申し上げます。


さて、
第20回発行号は、

久しぶりの登場ということで、
相模野小町作品を特集でお送りいたします。

とりとめない、
ある日、ある時の情景、
切り取られた心模様を、

どうぞ、ご賞味ください、、、、


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  相模野小町   [時]
      
          [花]
 
          [人を恋うること]

          [おさな馴染み2]


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[時]


雨の中を
傘に隠れてあなたにしがみついていた

わたしの肩を抱き寄せて
流行歌を口ずさむ
あなたの澄んだ声を
泣きながら聞いていた

いつもいつも不安だった
あなたとの季節が
いつ終わるのか

頼りない春の香りの中で出会い

あなたを好きになればなるほど
いつか訪れる別れの予感は膨らんで

透き通るみどりの風に吹かれても
風の中を一緒に歩いても
いつも悲しかった

季節は何時の間にか移ろい

絶え間なく街は
静かな雨に濡れそぼつ    

悲しいまま
訪れた最後の夜を

優しいまま
別れを告げた貴方と歩く

雨の中を
傘に隠れてしがみついていた

いつか別れる人とわかってはいても
時の訪れは
こんなにもやるせなく悲しい

*' *' *' *' *' *' *' *' *' *' *' *' *' *' *' *' *' *'


  [花]


花一輪

美しく

手折られてなお
美しく

限りある命を
たおやかに咲きぬく

ただひと艶の

凄みある姿

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 [人を恋うること]


永い季節のはざまで
ときめきを見失う


わたしは貴方に
あんなにも恋焦がれていた

哀しみとも喜びとも
切なさともつかない
狂おしい胸の蠢きに
身の置き所なく眠れぬ夜を重ねて

あんなにも
逢える時間を待ち焦がれていた

あなたと逢えること
あなたと触れ合うことが
散り散りに心を乱し

あなたと別れたあとは
満たされた潮がいつまでも
躰ごとを揺らしていた

永い季節を重ね
いつしかときめきを見失い


わたしは
あのころの狂おしい胸の蠢きを恋う

哀しみとも悦びとも
切なさともつかない
あの 胸の蠢き

生身の自分があまりに無防備で
避けようなく蠢く波のひとつひとつが
生きている証しだったあの時間

生を受けた喜び
人を恋うる喜び

人として
生きる喜びの源に

血潮通う
いのち高鳴る源に

今一度

かえりたいと願う

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[おさな馴染み2]


母になった君を 見にきたよ

幸せな君を見たかったから

黒い瞳と肌の色
そのコントラストが君そっくりの
君の娘

生きることの土壌は
君と作ったね

余りに若く剥き出しな心の襞
君と触れ合えたから生きられた

ずっとずっと親友で
最後の日だけ恋人だったね

泣きながら
羽ばたいて大人になることを
決めたよね

別々の季節を刻み始め

時は確実に流れていき

今日は
僕の大切な君が
母になった日

おめでとう

君の命を受け継ぐものの誕生に
君と生きた人間として
降り注ぐように
祝福を贈りたい


-相模野小町-


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「恋歌」第20回号、如何でしたでしょうか。


「恋歌」は、隔週木曜日、毎回のテーマに添ってお届けします。
次回をどうぞお楽しみに。。。。


わたし達の恋歌が、あなたの恋の魂に触れたら、、、
あなたの返歌、お待ちしています。
もちろん、ご意見ご感想なども、たくさんお聞かせくださいね。


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2002.6.13 「恋歌」第20回発行号


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