こんにちは。
メールマガジン「恋歌」、20回目の発行です。
皆様に読んで頂きながら、
とうとう20回目の発行を迎えることが出来ました。
心より御礼申し上げます。
「恋歌」は、恋に生き、歌に情熱を託した日本人の
溢れんばかりの情緒をいま、現代に蘇らせたい気持ちから、
数人の仲間で始めた企画です。
今後とも、どうぞよろしくお願い申し上げます。
さて、
第20回発行号は、
久しぶりの登場ということで、
相模野小町作品を特集でお送りいたします。
とりとめない、
ある日、ある時の情景、
切り取られた心模様を、
どうぞ、ご賞味ください、、、、
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相模野小町 [時]
[花]
[人を恋うること]
[おさな馴染み2]
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[時]
雨の中を
傘に隠れてあなたにしがみついていた
わたしの肩を抱き寄せて
流行歌を口ずさむ
あなたの澄んだ声を
泣きながら聞いていた
いつもいつも不安だった
あなたとの季節が
いつ終わるのか
頼りない春の香りの中で出会い
あなたを好きになればなるほど
いつか訪れる別れの予感は膨らんで
透き通るみどりの風に吹かれても
風の中を一緒に歩いても
いつも悲しかった
季節は何時の間にか移ろい
絶え間なく街は
静かな雨に濡れそぼつ
悲しいまま
訪れた最後の夜を
優しいまま
別れを告げた貴方と歩く
雨の中を
傘に隠れてしがみついていた
いつか別れる人とわかってはいても
時の訪れは
こんなにもやるせなく悲しい
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[花]
花一輪
美しく
手折られてなお
美しく
限りある命を
たおやかに咲きぬく
ただひと艶の
凄みある姿
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[人を恋うること]
永い季節のはざまで
ときめきを見失う
昔
わたしは貴方に
あんなにも恋焦がれていた
哀しみとも喜びとも
切なさともつかない
狂おしい胸の蠢きに
身の置き所なく眠れぬ夜を重ねて
あんなにも
逢える時間を待ち焦がれていた
あなたと逢えること
あなたと触れ合うことが
散り散りに心を乱し
あなたと別れたあとは
満たされた潮がいつまでも
躰ごとを揺らしていた
永い季節を重ね
いつしかときめきを見失い
今
わたしは
あのころの狂おしい胸の蠢きを恋う
哀しみとも悦びとも
切なさともつかない
あの 胸の蠢き
生身の自分があまりに無防備で
避けようなく蠢く波のひとつひとつが
生きている証しだったあの時間
生を受けた喜び
人を恋うる喜び
人として
生きる喜びの源に
血潮通う
いのち高鳴る源に
今一度
かえりたいと願う
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[おさな馴染み2]
母になった君を 見にきたよ
幸せな君を見たかったから
黒い瞳と肌の色
そのコントラストが君そっくりの
君の娘
生きることの土壌は
君と作ったね
余りに若く剥き出しな心の襞
君と触れ合えたから生きられた
ずっとずっと親友で
最後の日だけ恋人だったね
泣きながら
羽ばたいて大人になることを
決めたよね
別々の季節を刻み始め
時は確実に流れていき
今日は
僕の大切な君が
母になった日
おめでとう
君の命を受け継ぐものの誕生に
君と生きた人間として
降り注ぐように
祝福を贈りたい
-相模野小町-
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「恋歌」第20回号、如何でしたでしょうか。
「恋歌」は、隔週木曜日、毎回のテーマに添ってお届けします。
次回をどうぞお楽しみに。。。。
わたし達の恋歌が、あなたの恋の魂に触れたら、、、
あなたの返歌、お待ちしています。
もちろん、ご意見ご感想なども、たくさんお聞かせくださいね。
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2002.6.13 「恋歌」第20回発行号
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