* * * 第18回 * * *
こんにちは。
メールマガジン「恋歌」、18回目の発行です。
いつも読んでいただき、ありがとうございます。
「恋歌」は、恋に生き、歌に情熱を託した日本人の
溢れんばかりの情緒をいま、現代に蘇らせたい気持ちから、
数人の仲間で始めた企画です。
さて、今回のテーマは「わたしの好きな歌」特集です。
それぞれの歌人のお気に入りの歌や言葉をコメントつきでご紹介いたします。
歌人がどんな人なのか、垣間見えたりするかもしれません。
そして、あなたの好きな歌もあるかもしれませんね。
あなたの胸に すてきなエピソードとともにすきなうたの香りが届きますように。
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◇◆◇天の羽衣 選歌◇◆◇
手に接吻は敬意。
額に友情。
頬に喜悦。
口にこそ楽しき恋。
閉じたる眼にはあこがれ。
掌に熱望。
腕と頭に情慾。
その他にこそは狂気なれ。
読み人知れず
◇◆◇武蔵野式部 選歌◇◆◇
「涙」
濡れた真珠のような涙が
軟らかな頬の上を
まぶたを黒く染めた目から
別れのときにこぼれた。
恋する者の秘めた思いは
旅立ちのときにぞ現れる。
アブー・ヌワース
「アラブ飲酒詩選」より
***イスラムの熱き情熱
何故か血が騒ぐような表現にあこがれて、、。-武蔵野式部-
◇◆◇松ノ木大宮八幡娘 選歌◇◆◇
「微笑みのひと」作詞:布袋寅泰
一日の終わりはいつも
心まで疲れきって泣いてしまいそうになるけれど
涙に溺れたくない
幸せはゴールじゃなくて
積み重ね育むもの
だから二度とないこの日々を
大切に生きてゆこう
SMILE CAN CHANGE THIS WORLD
微笑みがきっと
明日の夢を 叶えてくれる
切なくも 愛しき人生
笑顔で生きてゆきたい
***ご存知、今井美樹ちゃんのニューシングルです。
2番の歌詞が好きでよく口ずさんでいます。
「幸せはゴールじゃなくて積み重ね育むもの
だから二度とないこの日々を大切に生きてゆこう」
付き合っているという惰性の中で、大切な人との時間の一瞬一瞬をあまりにも
おろそかに過ごしてしまったんじゃないかということに気が付く悲しい別れが
あった頃、ちょうどテレビの主題歌で流れていて、歌詞が胸にぐっときました。
一瞬一瞬が、本当に大切でいとおしいことを教えてくれた歌です。
幸せはゴールじゃなくて育むもの。。。まさにそのとおり!! -松ノ木-
◇◆◇出雲頼通 選歌◇◆◇
こんにちは。出雲頼通です。
編集部より好きな「愛の言葉」、「愛の歌」を教えて下さい、とお話があったのです
が、あまり本など読んだこともないので、愛の言葉と言われてもピンと来なかったの
ですが、数少ない私の和歌の知識の中で、高校生の時に習った「百人一首」に強く印
象に残っているものがありますので、それを挙げます。
つくばねの峰より落(おつ)るみなの川
こひぞつもりて淵となりぬる
―陽成院
あひ見ての後(のち)の心にくらぶれば
むかしは物をおもはざりけり
―権中納言敦忠
しのぶれど色に出(いで)にけり我恋(わがこひ)は
物や思(おもふ)と人の問(とふ)迄
―平兼盛
これを習った頃、好きな人がいて、学校で会うと周りがうるさいので、登校の途中で
会っては学校が近づくと別れ、下校の途中でまた会って、わざわざ遠回りをして家に
帰り、家に帰っては電話で話したり、それでも足りなくて手紙を書いたりしてまし
た。その人のことばかり考えていたんですが、これらの歌を知った時、うまいこと言
うなぁ、きれいに表現するんだなぁ、と強く印象に残ったんです。
「つくばねの」は、神聖な山と清らかな水のイメージでこの恋の純粋さと深さを感じ
ます。「あひ見ての」は、今までのは恋ではなかった、あなたに会って初めて恋が何
かを知った、というくらい衝撃的な出会い、「しのぶれど」は、結局は隠しきれな
い、思わず顔に出てしまうほどの恋しい気持ち、いずれも自分に通じるものがあった
んですね。 -出雲頼通-
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「恋歌」第18回号、如何でしたでしょうか。
「恋歌」は、次号より隔週木曜日、毎回のテーマに添ってお届けします。
次回をどうぞお楽しみに。。。。
わたし達の恋歌が、あなたの恋の魂に触れたら、、、
あなたの返歌、お待ちしています。
もちろん、ご意見ご感想なども、たくさんお聞かせくださいね。
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2002.5.16 「恋歌」第18回発行号